私がお葬式で見たエピソードについてご紹介していきたいと思います。私が初めてお葬式に出席したのは、高校生の時でした。その時亡くなったのは私の祖父で、とてもしんみりとした気持ちに包まれていました。お葬式に来たのは親戚だけの、こじんまりとしたものでした。そこにお坊さんが来たのですが、このお坊さんがかなりの曲者だったのです。まずお焼香から初めてで、どうすれば良いのか分からずに緊張していたのですが、お坊さんがお経を読み始めてから驚きました。なんと、指をパチパチと鳴らし始めたのです。まるでバンドマンがカウントを取るときのように、パチパチと急に鳴らすので、とても驚いてしまいました。思わず隣に座っていた兄を見たほどです。どうしてそんな事をするのか、それともこれが普通なのか。その時の私には分かりませんでした。それが気になって気になってお経の声など入ってきません。お焼香の番が来ても、ぽかんとしたままでした。また、お坊さんに関係する話としましては、お経を読み終わった後に、私たちにお話をしてくださるのですが、その内容が一風変わったものでした。それは、そのお坊さんが事故にあった時の話をしたのです。どうやら、自転車に乗ってる時に、急ブレーキをかけたのは良いのですが、そのまま体ごと前に投げ出され、顔に大きな傷を負ったというのです。その跡も見せてもらったのですが、その時漠然と疑問が浮かんできました。普通、自転車でそれほど大怪我をするものなのだろうかと。接触事故を起こしたのならまだしも、普段の道路を走っていてそうなるのでしょうか。お坊さんの話を聞いていると、なんだか親近感が湧いてくるようでした。お葬式と聞くと堅苦しくて悲しみに満ちた場だと思っていました。ですが私にはその時のお坊さんのインパクトが強すぎて、今でも忘れられません。お経を読む側、どこかロックで破天荒なお坊さんの一面を見た瞬間だったなと思いました。
20歳女お葬式のお坊さんがとてもロックだった
