49歳 女性 母の葬式で…笑ってよいのかいけないのか

私は49歳の主婦です。


10年ほど前に母を脳梗塞で亡くしました。


当時の私はまだ結婚をしておらず、自由気ままな生活をしておりました。


結婚しなくても、お母さんがいればいいや、掃除も洗濯もしてくれるし、食事も作ってくれる…そんなことを平気で言っておりました。


脳梗塞で倒れた母は、意識不明のまま、2日後に、天国へ旅立ちました。


最後のお別れのことばももらえませんでした。


早く結婚をして孫を抱かせてあげればよかったと、今でも後悔しております。


と、ここまでは普通の話しです。


お葬式の日は、2月の寒い日でした。


兄夫婦は、5歳と2歳の娘を抱いて参列していました。


私と父、兄、妹は、最前列に座りました。


その後ろで、兄嫁が2歳の姪を抱いて座っていました。


長い長い読経で、さすがの姪っ子たちも飽きている様子でした。


2歳の姪が徐々にぐずり出しました。


兄嫁が、小声であやしながら、飴玉を舐めさせていました。


その飴玉には、バーバパパの絵が描いてありました。


それを見るなり、姪は歌い出したのです。


「バーバパパのおっぱい、好かん! ばあばのおっぱいも、好かん!」
静寂の中で、姪の歌声が響き渡りました。


私は思わず吹き出しそうになりましたが、ぐっとこらえました。


すると、姪は、しつこいくらい繰り返し、「バーバパパのおっぱい、好かん! ばあばのおっぱいも、好かん!」と歌い続けました。


横を見ると、妹も笑いを必死でこらえているのが分かりました。


それを見ると、私はますます可笑しくなって、肩を震わせて笑いをこらえました。


後ろから見ていた人は、「肩を震わせて泣いている」と思ったようですが?
この話しには伏線があります。


以前、兄嫁から姪を預かったことがありました。


姪は夜になると、兄嫁のおっぱいを吸って眠る習慣があり、この日はなかなか寝付けませんでした。


そこで、母が、試しに、自分のおっぱいを姪に吸わせたところ、「好かん!」と言って、寝てしまったというエピソードです。


このエピソードなしには、母の葬式は語れません。


今でもあのときのことを思い出します。


私たちは必死に笑いをこらえたけれど、笑った方がよかったのではないか、と思うことがあります。


それがお母さんらしいというような気もします。


後になれば、そんなこともあったねって、言えるような日が来るのですから。


むしろ、その方が良い想い出になったかも知れません。


お葬式は、体裁を気にせず、泣いたり笑ったりして、ありのままで送り出してあげた方がいいと思う今日このごろです。

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