廃線トンネルですれ違った人

大学生の夏休みに、東海地方に住む友人が帰省をするので遊びに来ないかと誘われました。暇を持て余していたので、誘いに応じることにしたところ、夜になって肝試しをしようということになりました。その友人が住んでいるところから30分ほどのところに、数十年ほど前に電車事故があり廃線になったトンネルがあります。そのトンネルは心霊スポットになっているということで、肝試しエリアとして地元の人を中心に少しずつ知名度が上がっているようです。そのため肝試しをするために向かったものの、人が想像していたよりも多いと感じました。トンネルが50メートルほどあるので、そこをゆっくりと歩いていくことになりますが、みんなが懐中電灯などを持参しているので真っ暗になることはありません。最初は怖いと感じていましたが、向こうから歩いてくる人もいたので、途中からは怖さが消えて楽しさばかりになりました。もうすぐトンネルを抜けるというときに、向こうから綺麗な女性が二人組で歩いてきました。少し見惚れるくらいの美人だったので、トンネルを出た後に友人にさっきのすれ違った女性が綺麗だったという話をしました。そうしたら友人は不思議そうな顔をして、すれ違ったのはおじさん二人組だったといいます。あまりに見た人が異なるので、確かめようとすぐにUターンをしましたが、結局見つけることはできませんでした。本当に自分が見た人が人間だったのかどうかは、今になってみると暗がりだったこともあり自信がありません。ただ帰宅してからは、友人共々、原因不明の高熱を出したのでもう心霊スポットに近寄ることはやめようと固く決意しました。