海からやってきた少年

小学生の頃に、北海道の母方のおばあちゃんの家に姉と一緒に遊びに行きました。

おばあちゃんの家には、母親の兄が結婚をして同居していて、同じような年齢の娘が二人いました。

年齢が近いということで、4人で一緒に遊ぶことが多く、家からすぐ近くにある砂浜に行き海で遊ぶことになりました。

周囲に大人はいませんでしたが、浅瀬だったことから危険はないと感じて遊んでいました。

そんな時、海から泳いできたお兄さんがいて、もうすぐ雨が降って危険だから海から出たほうがいいと話してきました。

まだまだ遊びたかったのですが、そのお兄さんの言い方が真面目で逆らうことが許されない雰囲気だったので、子供だったこともあり素直に海から出ました。

そのお兄さんは海水パンツをはいていましたが、そこの名前が記されていたのを覚えています。

その後、海からあがったものの、まだ遊びたかったので砂浜でお城を作っていました。

そうしたらおばあちゃんが慌てて、海外で大きな地震があり津波がやってくるかもしれないといって、すぐに自宅に戻るように促しました。

自宅に帰るとテレビでも津波に注意という報道が行われていましたが、お兄さんが言うような雨は降ってきませんでした。

この記憶はずっと覚えていたものではありませんが、大人になってから母親におばあちゃんには海で亡くなった兄がいたという話を聞いたときに思いだしました。

その兄の名前こそが、水着に書かれていた名前と同じだったので、自分たちを守ろうとしてくれたのかなと考えるようになりました。

もちろん全くの別人だった可能性もありますが、同じ名前という偶然があるとは思えないので、おばあちゃんの兄が守ってくれたのだと信じています。