「違うよ そっちじゃない そっちじゃないよ」とボソッと呟きました

大学4年生の時、私は就職活動にて2社から内定を頂く事が出来ました。

いずれも希望していた会社であり、規模や勤務先、条件面などほぼ同じで、どっちで働いてもいいといった感じではありました。

しかし自分の一生に関わると考えるとどちらの会社で働けばいいのかと悩んでしまうもの。

しかしながら期限までにお断りの電話を入れないと相手方にも失礼だったので、会社のロゴに使われている色が自分が好きな青だったという単純な理由でA社を選択する事にしました。

その日はもう遅かったので、翌日にA社に入社する決定の連絡を、B社にお断りの入電する予定としていたのですが、その日の深夜にある不思議な体験をしました。

誰かに身体を強く抑え付けられているような感覚で目が覚め、身体を動かす事も声を出す事も出来ず。

かろうじて目は開きそうだったのですが、確実に自分の身体の上に誰かがいる感覚があり、怖くて目を開ける事が出来ません。

「誰か助けて!南無阿弥陀仏!」と心の中で強く念じていると、その誰かが私の耳元で「違うよ。

そっちじゃない。

そっちじゃないよ。

」とボソッと呟きました。

その声はお年寄りの女性のような声で、何処かで聞いた事があるなと感じました。

しかしそれ以降の記憶は全く無く、その声を聞いた後に気がつくともう朝になっていました。

起きてから冷静に考えたのですが、あの声は死んだおばあちゃんに似ていたなと感じ、もしかしたら自分が間違った選択をしている事を教えてくれているやじゃないかと考えました。

そこで内定を受ける会社をB社に変更し、A社にはお断りの連絡を入れました。

そして現在、私はB社で部長職でバリバリと働いています。

プライベートでは、社内で知り合った妻と結婚し、2人の子供にも恵まれました。

一方A社は数年前に多額の負債を抱え倒産する事に。

あの時、死んだおばあちゃんが私の間違いをしてくれたおかげで自分は幸せな人生を歩む事が出来ていると感じており、今でも家族で定期的なお墓まいりを欠かさないようにしています。